人の奥さんをセフレにした

人の奥さんをセフレにした

人の奥さんをセフレにした。

最初は抵抗があったけど、今では彼女が人妻でよかったと思っている。
人の大切な奥さんを弄ぶというのは何かと刺激的でスリル満点だ。

彼女は某出会い系サイトで見つけた三十五歳の紗弥さん。
プロフの写真では顔が少し大きめで農家の女のような印象があったけど、切れ長の唇と悩ましげな瞳が魅力的に見えた。色白でもあるし十分美人と言える。

秋田で暮らしはじめて二年。未だに秋田美人の特徴がわからない。
きっと紗弥さんこそが秋田美人にちがいないと決めつけた。
僕と同じ秋田市の人でもあり、是非会ってくださいとメールした。
紗弥さんはOKしてくれた。でも最後にこんな文章が。

「実は人妻なんです。それでもいいですか?」

ためらった。
出会い系に人妻がいるなんて思いもよらない。
僕が出会い系に来た目的はセフレ探しだから、セックスさせてくれたらそれでいいのだけど、相手が人妻となると話は別だ。不倫の関係になるわけだし、落ち着いて交際できない気がする。

でも美人だし捨てがたい。
二、三度セックスさせてもらってお別れしようと思い、返事を書く。

「人の奥様でも構いません。よろしくお願いします」

千秋公園で待ち合わせ、軽く散歩した。
明け方まで大雨が降っていたけど、午後から晴れていい気分。
旭川の水かさが増し、流れがいつもより早かったのを覚えている。
昼間は紗弥さんが人妻であることをなるべく意識しないようにしていけど、日が暮れてお酒を飲んだら、左手の指輪が気になりだす。

「ご主人以外の男性と付き合うときも指輪するんですね」

すると紗弥さん、指輪を見て苦笑いした。

「指が太ったの。指輪取りたくても取れないのよ」

決して太い指に見えないのは、白くて長いからだろうと思う。
結婚したての頃は、もっと綺麗だったんだろう。

「どうしたの? ひとりでにやにやして」

「手が綺麗だから。モデルみたいに」

すると酒で赤らんだ顔をさらに赤くした。

「そんな風に褒められるの何年ぶりかしら・・・嬉しいわ」

別に褒める気は微塵もない。目の前にあるものをそのまま表現しただけ。

「ご主人はこんなこと言わないのですか」

「そもそも会話がないの」

それをきっかけに身の上話が始まる。
ご主人とは夜の生活がないらしい。
いろんなことを回りくどく語ったけど、要するにセックスレスが気に入らないというのが紗弥さんの言い分だ。

不倫する人妻の特徴のひとつに「セックスレス」があるとどこかの雑誌で読んだことがある。
紗弥さんの話を聞いていて、それは本当なんだと思った。
でも紗弥さんは、こんな風に自分の欲望をごまかす。

「私と遊びたいと思う男性がいるなら、遊ばせてあげたいの」

こんな小悪魔的な物言いをするのも、不倫女の特徴だろうか。

バーボンをおかわりした紗弥さんが静かな声でこう言う。

「それで、君はどうなの? 私と遊びたい?」

こんなこと言われて「遊びたくない」なんて答える男がいたら会ってみたい。
百人中百人は「遊びたい」と答えるだろう。
知らずしらず、紗弥さんに巻き込まれていく自分がいた。

旭川ぞいのラブホテルに入る。
初日から肉体関係になるとは思わなかった。

人妻のセックスプレイはすごい。
何がすごいって、感度抜群なんだ。
性感帯が全身に広がっていて、何をしても感じてくれる。
それにイキやすい。
一回のセックスで三回もアクメに達した女性に会ったことは今までない。

紗弥さんとは二、三回で別れようなんて思っていたけどむりだった。
セフレの関係になってもう半年になる。
会うたびに、むさぼるように求め合う。

でもときどき不安にもなる。

「ご主人にバレたりしないですよね」

「バレるかバレないか、ぎりぎりのところでスリルを味わうのが不倫の楽しみかたよ。これからも秘密の関係でいましょうね」

甘い口調で囁きかけ、白くきれいな指で僕の胸を撫でる。

たしかにスリル満点ではある。
独身女性をセフレにしてもこんな楽しみ方はできないもんな。

彼女が人妻でよかったと本気で思う。

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